売りたいアタマと買いたいココロ 〜 図解で見る、企業のアタマと消費者のココロ 〜

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安心、充実があるから叶うロハス消費〜マズローの欲求段階説

2011.12.08 Thursday

ある層の消費における方針、価値判断の基準のひとつとして注目されたロハス(LOHAS:Lifestyles Of Health And Sustainability)。環境保全や健康に配慮した生活スタイルで、多くの日本人にも受け入れられた概念である。もちろん消費生活にも影響を及ぼしており、「自然派」の食材、衣類、住環境を選択する消費者はかつてよりも増えているのではないか。「LOHAS消費者動向調査」(株式会社イースクエア,2008)では「環境によいことをした後は、自分としても気持ちがいい」と答えた対象者が、2006年63%、2007年64%、2008年75%と年々増加しており、環境に配慮した消費を好む人も伴って増えていると考えられる。

豊かさを求めてきた戦後、高度経済成長期を経て景気の減退を体験した消費者が今求めているのは健康、持続可能性。そこに行きついた過程を「マズローの欲求段階説」に照らして考察した。

低いレベルの満足あって、初めて高いレベルの理想を持てる。
【マズローの欲求段階説】
人間の基本的欲求について、マズローは低次のものから高次のものまで5段階に分けている。
1.生理的欲求(physiological need)
2.安全の欲求(safety need)
3.所属と愛の欲求(social need/love and belonging)
4.承認の欲求(esteem)
5.自己実現の欲求(self actualization)
食欲、睡眠など生理的な欲求が満たされれば安全への欲求を抱く、と言うように低次の欲求の充足が高次の欲求の発生を招くとする説である。しかし、例外としてある欲求を飛び越えてより高次な欲求を抱いたり、既に満たされていた低次の欲求が満たされなくなることで欲求の段階が下がる場合がある点についても指摘している。

食物や住居も得られなかった時代。人々は満足に食べられる方法を求め、家族や自身の安全が確保されれば企業や地域に属し、他者から好かれ尊重されることを望んだ。他者から認められる環境が整えば、自分が持っている生活観や理想とする方針を実現しようとする。それが自分だけの欲求よりも多数、子孫の幸せに配慮した消費スタイルにつながっているのかもしれない。

ロハスを生活に取り入れている人々は所得が比較的高く生活も安定していることが多いとされている。「食べる」「寝る」「安全を求める」という欲は低い次元の欲求とされているが、ロハスなど高次元の欲求もそれらの低次の欲求の充足の上に成り立っていることは忘れてはならない。

<参考資料>
人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ 』(著)A.H.マズロー(訳)小口 忠彦(1987)産能大出版部
LOHAS消費者動向調査2008調査結果サマリーレポート」(2008)株式会社イースクエア

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「自分で情報を選択できる」消費者の能動的な情報取得体質への変化〜選択可能情報

2011.12.01 Thursday

インターネットの普及によって、少しずつテレビから離れていく傾向にある消費者。消費者がインターネットを選好する理由には何があるのだろうか。
番組の質や内容に関する好みなどテレビ側の課題がある可能性も考えられるが、今回は私たちの生活に浸透し、テレビを見る時間を徐々に奪いつつあるインターネットの性質に着目してその理由を考察する。

情報に対して主体性を持ち始めた消費者。
【選択可能情報】
総務省「平成18年度情報流通センサス報告書」によれば、各メディアの情報受信点において選択可能な形で提供された情報である選択可能情報について、平成18年度における選択可能情報量(選択可能情報の総量)のメディア構成をみると、インターネットが(98.8%)が特に大きいシェアを占めている。同報告書では、これはインターネット上に保存・蓄積されている情報に、何らかのアクセス手段を持っている利用者全員がアクセス可能であるというメディアの特徴によるところが大きい、としている。

流通情報量(各メディアを用いて情報受信点まで届けられる情報量)のうち、テレビ等の放送が98.7%、インターネットが0.6%。これに対して、消費情報量(情報消費者が受信した情報の内容を意識レベルで認知される情報量)のうち、放送は71%、インターネットは14.1%。
テレビは流通情報量に対して消費情報の割合が低いことが分かる。

インターネットは消費者が主体的に情報を検索、閲覧するという特性上、選択可能情報が消費者の意識レベルで認知されやすいと考えられる。インターネットの普及によって、テレビの視聴が減少しているとすれば、テレビから一方的に発信される情報を受けるよりも、
自分の意思によって情報を選択し取得することを好む傾向があるとは言えないだろうか。

テレビから発信される情報を受けて好みや意思決定していた「巨人・大鵬・卵焼き」の時代から、自分が求める情報を探すという能動的な情報取得体質に、消費者は変化しているのかもしれない。


<参考資料>
総務省「平成18年度情報流通センサス報告書」
総務省「我が国の情報流通量の計量と情報通信市場動向の分析に関する調査研究結果(平成20年度) ―情報流通インデックスの計量―」

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「ル・クルーゼ」ブランドを連想する要素〜製品非関連属性

2011.11.24 Thursday

 日本でも人気が高い、フランスの鋳物ホーロー鍋ブランド「ル・クルーゼ」。各百貨店や専門店、直営店などで販売されている。
しかしながら店頭を通じて消費者に季節商品販売やキャンペーンなどの情報伝達が円滑にできていないという課題を抱えているという。

日本の複雑な流通構造の中で消費者にメッセージを伝えるために〜プル戦略』では消費者との直接的な情報交換によるブランド浸透の必要性を仮説として提示した。
ここではどのように「ル・クルーゼ」ブランドが消費者のココロに根付き、ブランドを想起させられるのかについて考察した。

【製品非関連属性】
ブランドの連想は、どのような情報がその連想に要約され組み込まれているのかによって分類できる。
(K.L.ケラー,2000) 情報のタイプは「属性」「ベネフィット」等に分類されるが、「属性」については、
◆製品関連属性:製品の物理的な特性。製品の品質やパフォーマンスのレベルがこれにあたる。
◆製品非関連属性:マーケティング・ミックスと売り方から形成される特性。製品やパッケージの色、
販売店のタイプなど製品の性能とは直接関係しない情報。主に以下の5つが挙げられる。
1.価格
2.使用者イメージ
(どのようなタイプの人が、その製品を使用しているか。)
3.使用イメージ
(どこで、どのような状況下で使用されているか。)
4.フィーリングと経験
5.ブランド・パーソナリティ
(「活発」「穏やか」「現代的」など、人と同様にブランドがもつパーソナリティ。)

「ル・クルーゼ」の鍋の汎用性、耐久性など、その品質の高さは製品関連属性の分類される情報と言える。上記に挙げた製品非関連属性について検討してみた。※管理人の主観ではあるが、消費者への調査分析によって精緻な仮説を立てることができる。

1.価格
キッチン用品の中でも高価格。
2.使用者イメージ
料理が好きな人、料理が上手な人、料理の腕をあげたい人、グルメな人、富裕層…など。
3.使用イメージ
料理を頻繁にしている人のキッチンで、どんなメニューを作るのにも使用されている。
クリスマスなど凝った料理を用意してのホームパーティーで、ローストチキンをル・クルーゼの鍋ごと振舞われる…など。
4.フィーリングと経験
美味しい料理を作り訪問客に食べさせる優越感。
友人宅での食事会で見た、ル・クルーゼが置かれた彩りよいテーブル…。など。
5.ブランド・パーソナリティ
豪華な。こだわりの。暖かい。など。

消費者の「ル・クルーゼ」ブランドの連想で、どんな情報が組み込まれているのか。上記の仮説を前提とすれば、ブランドと消費者の接点は「キッチン用品、鍋を買いにくる場」(売り場)だけでなく、「料理」「ホームパーティー」に関連する場も「ル・クルーゼ」との接点になる可能性がある。

「ル・クルーゼ」を想起する情報を適切に把握することで、小売店店頭以外での消費者との直接的なパイプを築きやすくなるかもしれない。

〈参考文献〉
戦略的ブランド・マネジメント 』(著)K.L.ケラー (訳)恩蔵直人、亀井昭宏 (2000)東急エージェンシー

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相手チームのファンへの嫌悪感、攻撃的な気持ち。〜攻撃動機づけ

2011.11.17 Thursday

中日ドラゴンズが福岡ドームで2連勝のあと、ソフトバンクホークスがナゴヤドームで2連勝。両チームが敵地で勝利し、日本シリーズも盛り上がりを見せている。

熱狂的なファンでなくともスタジアムに行けば声を出して応援したり、サッカー日本代表については普段はサッカーファンでなくとも「俄かサッカーファン」になって試合に夢中になり、勝利すればその喜びを周囲と分かち合う。

海外の話ではあるが、以前「フーリガン」と呼ばれる熱狂的なサッカーファンによる暴動が問題になった。これは極端な例ではあるが、あるチームを応援していれば相手チームに敵意を抱き、時に相手チームのファンに対して暴力こそないものの攻撃的な言動に出るファンも少なくない。

スポーツの応援・・・あらゆる場面に潜む攻撃性。
【攻撃動機づけ】
他者に対して危害を加えようとする攻撃行動の動機づけとして以下の4つが挙げられる。
■防衛・回避
危害から身を守るために攻撃しようとする。
■印象操作・同一性
他者に対してある一定の印象を与える。もしくは評判・信用を守ろうとするために攻撃しようとする。
■影響・強制
自分の目指すものを達成するために人に何かを無理強いする。
■制裁・報復
他者の悪い行いに対して罰を与える。

自分が応援するチームに対する攻撃、もしくはそのファンに対する攻撃を阻止しようとして自分も攻撃的になる場合(防衛・回避)。相手の挑発や侮辱に対して怒り応戦してしまう場合(印象操作・同一性)。自分が気持ちよく楽しく応援し勝利を喜ぶことを阻止させないように、相手チームへの応援を妨げたい、がっかりさせたいと思う気持ち(影響・強制)。自分のチームの勝利を嫌がる相手チームのファンに対して制裁したい気持ち(制裁・報復)。

スポーツの応援には多くの攻撃動機づけが潜んでいる。スポーツに限らず、自分の考えと異なる意見や性質を持つ他者がいる以上、攻撃性を抱く可能性は皆持っている。

しかしスポーツは基本的には楽しむものであり、ファン全員が楽しむ権利を持っている。多少の攻撃性は刺激になるかもしれないが、度を超えた応援は他者の楽しみを奪うこともありマナーとして控えるべきであろう。


<参考文献>
攻撃と暴力―なぜ人は傷つけるのか (丸善ライブラリー) 』大渕憲一(2000)丸善

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タオルのブランドの捉え方〜自己表現機能と情報処理機能

2011.11.10 Thursday

中国で生産される低価格のタオルの普及による苦境を克服しなければならない日本のタオル製造業。経済産業省「JAPANブランド育成支援事業」に指定され、佐藤可士和氏によるディレクションのもとブランド強化に努めている「今治タオル」の他、贈答品需要獲得を中心に模索を続けている。

贈答品として、日用品として、タオルを選ぶときの消費者の選好について、ブランド志向の形成要因から考察してみた。

タオルに求めるのは、ファッション性か。品質保証か。
杉本(1993)は、日本人のファッションブランドの志向の形成する機能として「自己表現機能」「情報処理機能」を挙げている。

【自己表現機能】
他者との差別化、および集団への同調によって自分を表現するシンボルとしての機能への期待。
<「他者との差別化」意識に影響を及ぼす因子>
◆自己表現因子…自分の好み、フィーリングを表現したい
◆優越性因子…優越感に浸りたい
◆反同調性因子…周囲とは違う自分になりたい
<「集団への同調」意識に影響を及ぼす因子>
◆話題性因子…話題になっているものが欲しい
◆逸脱回避因子…異端な人だと思われたくない
◆不協和回避因子…購入を後悔したくない

【情報処理機能】
品質など商品の情報を効率的に認知、判断する機能への期待。以下の因子が情報処理に対する消費者意識に影響を与えるとしている。
◆不協和回避因子…購入を後悔したくない
◆品質評価因子…品質が高いものが欲しい

上記はファッションブランドの志向に関する研究成果であるが、タオルについてはどうであろうか。

贈答品の場合、保証された品質のものを効率的に選択できるという点だけでなく、送り主のセンスや志向を表現する品でもあり、ブランドのファッション性が強く求められるかもしれない。しかし、その場合の消費者の選択肢はタオルに限定されるものではなく、自己表現の機能を他分野の商品と比較されるため、ファッション性や個性がその分必要である。

また日用品としてのタオルはファッションや車など他人の目に触れる機会が少ないため、自己表現機能よりも必要な品質もしくはコストパフォーマンスに関する情報処理の機能が求められる。または、消費者が高品質によるメリットを理解していない場合、品質を軽視しブランド性をタオルに求めない可能性もある。コモデティ化が進んでしまったタオルについて、長期使用による経済的メリットや吸水性など、日用品としての評価基準を消費者が見直すような情報を訴求する必要がある。



ファッション性と品質保証。タオルという分野ならではのバランスが、適切なブランド構築に必要だと考えられる。

<参考資料>
消費者理解のための心理学 』杉本徹雄(編)(1997)福村出版 -「ブランド志向の態度構造分析」杉本徹雄(1993)

| 買いたいココロ。 | 18:16 | comments(0) | trackbacks(0) |




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日本で独自の消費者市場。「地産地消」傾向の要因は?〜NIH症候群

2011.11.03 Thursday

家電をはじめアジアの企業が世界市場を舞台に活躍し世界の消費者がそれらを受け入れる中で、日本の各消費者市場ではまだまだ国内メーカーのシェアは高い。

商品分野によって日本の消費者は、新しい価値やイノベーションの受容が比較的遅い側面もある。
現在では消費者市場にも浸透し、多くの日本企業が製造販売しているパソコン。1980年代後半、日本ではまだまだワープロが浸透しておりパソコンは一部の企業で取り入れられる程度。その時、オーストラリアでは企業や教育現場だけでなく、中流階級以上ではあるが一般家庭にパソコンが普及し始めていた。

中国に2位の座を奪われたとは言え、GNPは第3位の経済大国である日本。国民の生活水準も教育水準も高い国である。にもかかわらず、新しい価値を受け入れることに消極的なのは、各分野で優れた製造技術力を持ち世界市場にむけて品質高い製品を輸出してきた国の国民としての自負が関係しているのかもしれない。

「Made in japan」が一番。
【NIH症候群】
英語では'Not Invented Here
syndrome'。その国や組織によって作られたもの、もしくはその国は発祥であるものを選定、採用する傾向。他の国や組織で開発されたものを受け入れることに抵抗を示す。

先に述べたとおり、これまで日本の自動車、家電メーカーの品質は世界市場で高く評価されてきた。消費者のそれに対する誇りが高いほど、他国が発祥となった新しい価値に抵抗感があり受け入れに消極的になるNIH症候群の影響が強いのかもしれない。

| 買いたいココロ。 | 18:47 | comments(0) | trackbacks(0) |




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ハロウィンでしか得られない価値はあるのか?〜希少性の法則

2011.10.27 Thursday

季節の行事として、すっかり日本にも定着しているクリスマスやバレンタイン。その時代背景によってカタチは変わっても、安定した需要がある。その他でも節分の「恵方巻き」はここ10年程度で急速に定着した。

これらが普及するに至った理由を「希少性の法則」を元に考察し、ハロウィンにその要素、可能性があるのかを考察する。

その時のみ、という限定された希少な価値。
【希少性の法則】
同質のものであっても、すぐ手に入るものよりも希少なものの方が価値が高いと考える人間の行動の法則を指す。「なかなか手に入らない」=「皆が欲しがっているもの」=「価値が高い」という認識を、これまでの生活経験の中からで身につけている。
社会心理学者S.ウォーチェルの実験では、クッキーが10個入った瓶からクッキーを食べた被験者より2個しか入っていない瓶から食べた被験者のほうが、同じクッキーにもかかわらず、クッキーに好意的な評価をしたという。

クリスマスには、クリスマスにしかできないことがある。サンタクロースからプレゼントをもらう。七面鳥、クリスマスケーキなどのご馳走を食べる。家族、友だち、大切な人と過ごす。その時にしかできない「非日常」の行動が慣習化されている。
太巻きを切らずにかぶりつく。普段であれば行儀が悪いとされることが節分だけは許される。

ハロウィンはどうだろうか。ハロウィンならではの仮装はあるが、クリスマスパーティでも仮装することもありハロウィンに限られることではない。また「お菓子をもらう」という行為も現代の子どもたちにとっては日常的な行為なのではないだろうか。



年に1度ハロウィンのときにしかできない、希少性の高い慣習を取り入れることでハロウィンの行事の価値が高まり、さらに消費者から好意的に捉えられるようになるかもしれない。

| 買いたいココロ。 | 13:51 | comments(0) | trackbacks(0) |




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デメリット回避への心理傾向が招く消費者の意思決定〜プロスペクト理論

2011.10.20 Thursday

議論が広がっている環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加問題。
交渉参加による今後の消費者の生活への影響は少なくないと考えられている。しかし長期的な視点から考えれば、参加する場合もしない場合もメリットとデメリットはそれぞれにある。賛成派と反対派も微妙に食い違っており、消費者から見れば交渉参加の判断のゆくえ、それによる影響も明確に予測するのは非常に難しい。

このような状況で、消費者はどのような意見を持つのだろうか。不確実性が高い状況下での人間の心理の傾向から、考察してみた。

適正に判断できない、メリット。デメリット。
【プロスペクト理論】
不確実性が高い状況で、人間が行う意思決定の傾向を述べたD.カーネマンらによる理論。
現状を基準として、そこからどれぐらい乖離しているかによって結果を評価する。しかし、自分にとってプラスになるときに得られる利益の大きさと、マイナスになるときに被る損失の大きさが同じ場合、損失の方を過大評価し回避しようする。またこの他に、基準よりプラスの領域では危機回避的になり、マイナスの領域では危険追求的になるという傾向も挙げられている

今回のTPP交渉参加問題の賛成派、反対派の主な意見を以下に整理する。
賛成・肯定派が、関税撤廃による輸出振興、国外技術の取り込みによる農業イノベーションと経済成長の可能性価格下落による消費者の生活の負担軽減を参加のメリットとして挙げている。また参加しない場合のデメリットとして日本の利益をルールに反映させられないことによる貿易上の不利、日本経済の衰退を挙げる。
一方で反対・慎重派は、価格下落による耕作意欲の低下、廃業農家の増加とそれによる景気の悪化、農家への補償による財政負担、流通する食品の品質の低下をデメリットとして挙げる。

反対派が述べるデメリットは消費者や農家への直接的で短期的な悪影響が多い。プロスペクト理論に基づけば、これらの主張を耳にする消費者としては「反対派が述べるデメリットを回避すべき」という意思を持ちやすい傾向にあると言える。



交渉参加には、長期的な経済発展とそれに必要なイノベーションの可能性という重要な価値もある。消費者がその価値を適正に評価するためには、デメリットよりもさらに大きなメリットがあることを理解する説明が必要である。

<参考文献>
D.Kahneman, P.Slovic and A.Tversky "Judgment under Uncertainty:
Heuristics and Biases"(Cambridge University Press, 1982).

| 買いたいココロ。 | 20:05 | comments(0) | trackbacks(0) |




買いたいココロ。

お詫び

2011.10.13 Thursday

本日更新予定の「買いたいココロ」はお休みさせていただきます。
誠に申し訳ありません。

「売りたいアタマと買いたいココロ」 管理人

| 買いたいココロ。 | 22:48 | comments(0) | trackbacks(0) |




買いたいココロ。

「郵便局を必要としている人」とは?〜マーケット・セグメンテーション

2011.10.06 Thursday

郵便事業のサービスによる顧客満足〜満足のピラミッド/本質サービスと表層サービス

全国の郵便局を拠点として展開されている郵便事業について、民間の小口配送業者との競争における優位性となるような顧客価値を整理したところ、「地方や高齢者が多い地域への支援や生活の権利を保護する」という表層的なサービスに強みを持っているという仮説が浮かび上がった。

郵便局は全国に2万5000局程の拠点を有し郵便事業を展開しているが、全国のすべての人々がそのターゲットとなっているわけではなさそうだ。郵便局の価値を見出し、生活に不可欠なものと感じている人々をどのように把握できるのだろうか。

すべての人の中で「郵便局を必要としている」セグメントを発見。
【マーケット・セグメンテーション】
個人特性を理解することは、精緻で深い消費者行動の把握を可能にする。杉本(1997)は、個人差を研究する意味を以下のように述べている。
1.行動の記述
個人特性を用いることで、行動をより要約して簡潔に記述することができる
2.行動の説明
個人特性を知ることで、行動の動機や理由をより正しく理解できる
3.行動の予測
個人特性を把握しておくことで、将来の行動をより正確に予測できる
4.行動の制御
個人特性を把握すれば、意図的に一定の行動を生じさせたり、逆に行動を抑制することができる実務の上で、消費者の個人差を把握するためにマーケット・セグメンテーションが用いられることが多い。市場を形成している個人の特性を把握し、その複数の特性を軸としてグループ分けし、それぞれのグループのニーズに合わせたマーケティング活動が可能になる。
その大きな軸として以下の2点が挙げられている。(杉本,1997)
●パーソナリティと行動様式
●ライフスタイル(生活意識、生活行動、価値観)

杉本(1997)が挙げる2点で精査していく中で、デモグラフィック特性(性別、年齢、居住地など)にも共通点が見られてくるかもしれない。

「地方や高齢者が多い地域への支援や生活の権利を保護する」という強みを前提とし、
「郵便局を必要としている人」のセグメントの特性を考察した。
まず、
・地方在住者
・高齢者
という特性は強みからおのずと見えてくる。
しかしながら、地方にも民間小口配送業者の拠点がある地域もあり集荷サービスを行っているため拠点から遠い人でも高齢者でも荷物を送ったり受け取ったりすることができる。コンビニエンスストアとの提携をしている業者もあり、車で買い物に行くついでに荷物を発送に行くことができる。
よって「郵便局を必要としている人」の特性として、地方在住者、高齢者の中でも
・荷物の集荷、配送の依頼を自らできない人
・車の運転ができない人
・コンビニエンスストアなどの商業施設から距離がある地域の在住者
いわゆる買い物弱者と言われる人々と共通した特性があることが分かる。

もし「地方や高齢者が多い地域への支援や生活の権利を保護する」拠点として存在するのであれば2万5000局程の全国の郵便局のネットワークでなくとも
・荷物の集荷、配送の依頼を自らできない人
・車の運転ができない人
・コンビニエンスストアなどの商業施設から距離がある地域の在住者
が多く住む地域にのみ拠点を限定し、民間小口配送業者のハブ拠点としてもしくは買い物の代行拠点として機能した方が経済的かつ効率的に利用者ニーズに応えることができる、ということになる。

<参考文献>
『消費者理解のための心理学』(編)杉本徹雄(1997)福村出版

| 買いたいココロ。 | 18:20 | comments(0) | trackbacks(0) |




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