売りたいアタマと買いたいココロ 〜 図解で見る、企業のアタマと消費者のココロ 〜

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お詫びと更新予定の変更のお知らせ。

2011.12.14 Wednesday

昨日更新予定の「売りたいアタマ」はお休みさせていただきました。

また今後の更新予定につきましては、改めて報告いたします。

「売りたいアタマと買いたいココロ」管理人

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安心、充実があるから叶うロハス消費〜マズローの欲求段階説

2011.12.08 Thursday

ある層の消費における方針、価値判断の基準のひとつとして注目されたロハス(LOHAS:Lifestyles Of Health And Sustainability)。環境保全や健康に配慮した生活スタイルで、多くの日本人にも受け入れられた概念である。もちろん消費生活にも影響を及ぼしており、「自然派」の食材、衣類、住環境を選択する消費者はかつてよりも増えているのではないか。「LOHAS消費者動向調査」(株式会社イースクエア,2008)では「環境によいことをした後は、自分としても気持ちがいい」と答えた対象者が、2006年63%、2007年64%、2008年75%と年々増加しており、環境に配慮した消費を好む人も伴って増えていると考えられる。

豊かさを求めてきた戦後、高度経済成長期を経て景気の減退を体験した消費者が今求めているのは健康、持続可能性。そこに行きついた過程を「マズローの欲求段階説」に照らして考察した。

低いレベルの満足あって、初めて高いレベルの理想を持てる。
【マズローの欲求段階説】
人間の基本的欲求について、マズローは低次のものから高次のものまで5段階に分けている。
1.生理的欲求(physiological need)
2.安全の欲求(safety need)
3.所属と愛の欲求(social need/love and belonging)
4.承認の欲求(esteem)
5.自己実現の欲求(self actualization)
食欲、睡眠など生理的な欲求が満たされれば安全への欲求を抱く、と言うように低次の欲求の充足が高次の欲求の発生を招くとする説である。しかし、例外としてある欲求を飛び越えてより高次な欲求を抱いたり、既に満たされていた低次の欲求が満たされなくなることで欲求の段階が下がる場合がある点についても指摘している。

食物や住居も得られなかった時代。人々は満足に食べられる方法を求め、家族や自身の安全が確保されれば企業や地域に属し、他者から好かれ尊重されることを望んだ。他者から認められる環境が整えば、自分が持っている生活観や理想とする方針を実現しようとする。それが自分だけの欲求よりも多数、子孫の幸せに配慮した消費スタイルにつながっているのかもしれない。

ロハスを生活に取り入れている人々は所得が比較的高く生活も安定していることが多いとされている。「食べる」「寝る」「安全を求める」という欲は低い次元の欲求とされているが、ロハスなど高次元の欲求もそれらの低次の欲求の充足の上に成り立っていることは忘れてはならない。

<参考資料>
人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ 』(著)A.H.マズロー(訳)小口 忠彦(1987)産能大出版部
LOHAS消費者動向調査2008調査結果サマリーレポート」(2008)株式会社イースクエア

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商店街周辺の「自然派」のつながり【ネットワーク】

2011.12.06 Tuesday

東京都郊外にある街。大型の分譲マンションも増加して30〜40代の働き盛り世代の人口も増え、商店街は平日でも多くの人々で賑わっている。
しかし「人気がある街」になるほど地価は上昇。商店街にはチェーン店が増え、個性ある個人店は商店街から次々と撤退。個人のお店は商店街から少し離れた場所に点在している。

街の中心地から離れた個人店でもファンが多い人気店が数々存在する。「自然派」というコンセプトの下、それらの人気店同士の地域のつながりで成り立っていた。

消費者のある価値観に基づいた協調関係。
【ネットワーク】
組織は独立して機能するものではなく、サプライヤー、競争相手、顧客など他の組織、個人と複雑に影響を与えあいながら機能する(H.ミンツバーグ,1999)。会社が互いに関係を深めて行く点に研究者が注目し、ネットワーク・モデルが開発された。

「自然派」というコンセプトにおいて共通する店舗および事業者で品物の供給、販売協力、情報交換等の協力関係を形成し、相互の事業を支え、そのネットワーク全体の情報をコンセプトに共感する消費者に発信できるしくみが作られている。

この「自然派」ネットワークの場合、複数の店舗、事業者の協力関係の要である「ハブ」となっているのが「オーガニックカフェ」である。飲食スペースだけでなく商品の販売スペース、展示スペースを設けているこの店では、ネットワークに属する店舗の情報だけでなく、カフェのコンセプトと共通する考え方を持った芸術家の作品を展示し消費者との接点を創り出している。

この「自然派」で括られる店舗の事業を活性化させることで、コンセプトに共感しこれらの店舗で積極的に消費を行う可能性が高い消費者を商店街周辺に誘導し、ネットワークに属するそれぞれに店舗、事業主に収益をもたらし、消費者の満足を獲得し、ファンを集めている。

個人事業では資源には限界があり、この面ではチェーン店には敵わない。しかし今回の例では、ターゲットのライフスタイルや価値観に基づいたネットワークの形成によってチェーン店には真似できない消費者価値を創造している。商店街の周辺でありながら街の個性を発揮している成功事例と言える。


<参考資料>
戦略サファリ―戦略マネジメント・ガイドブック (Best solution) 』(著)H.ミンツバーグ,(訳)斎藤 嘉則(1999)東洋経済新報社

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「自分で情報を選択できる」消費者の能動的な情報取得体質への変化〜選択可能情報

2011.12.01 Thursday

インターネットの普及によって、少しずつテレビから離れていく傾向にある消費者。消費者がインターネットを選好する理由には何があるのだろうか。
番組の質や内容に関する好みなどテレビ側の課題がある可能性も考えられるが、今回は私たちの生活に浸透し、テレビを見る時間を徐々に奪いつつあるインターネットの性質に着目してその理由を考察する。

情報に対して主体性を持ち始めた消費者。
【選択可能情報】
総務省「平成18年度情報流通センサス報告書」によれば、各メディアの情報受信点において選択可能な形で提供された情報である選択可能情報について、平成18年度における選択可能情報量(選択可能情報の総量)のメディア構成をみると、インターネットが(98.8%)が特に大きいシェアを占めている。同報告書では、これはインターネット上に保存・蓄積されている情報に、何らかのアクセス手段を持っている利用者全員がアクセス可能であるというメディアの特徴によるところが大きい、としている。

流通情報量(各メディアを用いて情報受信点まで届けられる情報量)のうち、テレビ等の放送が98.7%、インターネットが0.6%。これに対して、消費情報量(情報消費者が受信した情報の内容を意識レベルで認知される情報量)のうち、放送は71%、インターネットは14.1%。
テレビは流通情報量に対して消費情報の割合が低いことが分かる。

インターネットは消費者が主体的に情報を検索、閲覧するという特性上、選択可能情報が消費者の意識レベルで認知されやすいと考えられる。インターネットの普及によって、テレビの視聴が減少しているとすれば、テレビから一方的に発信される情報を受けるよりも、
自分の意思によって情報を選択し取得することを好む傾向があるとは言えないだろうか。

テレビから発信される情報を受けて好みや意思決定していた「巨人・大鵬・卵焼き」の時代から、自分が求める情報を探すという能動的な情報取得体質に、消費者は変化しているのかもしれない。


<参考資料>
総務省「平成18年度情報流通センサス報告書」
総務省「我が国の情報流通量の計量と情報通信市場動向の分析に関する調査研究結果(平成20年度) ―情報流通インデックスの計量―」

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テレビ局。フルカバレージターゲット設定からの脱却の必要性〜特定市場セグメントターゲット設定

2011.11.29 Tuesday

師走はもうすぐそこ、というこの時期。NHK紅白歌合戦の出場者など、テレビの年末特番や毎年恒例の年末番組の話題が増えてくる。しかしながら民放各局の大晦日番組も視聴率でNHK紅白歌合戦を上回ることができていないにも関わらず、NHK紅白歌合戦の視聴率は年々じわりじわりと低下している。

<参考>ビデオリサーチ 過去の視聴率データ NHK紅白歌合戦

これはNHK紅白歌合戦の視聴者が減っているのではなく、テレビ視聴者自体が減少している可能性を意味する。インターネット普及によるテレビ離れの他、生活様式や慣習の変容、BSデジタル放送の開始などあらゆる理由が考えられるが、様々な環境変化の中でテレビ局の在り方も変化していく必要がある。

ジャンルに特化。もしくはターゲットに特化するという方法。
【特定市場セグメントターゲット設定】
嶋口(1987)は、市場全体を顧客のセグメントと製品のセグメントの2方向から細分化し、どのセグメントをターゲットとするのか、製品力やマーケティング力によって設定する方法を提示している。
ターゲットを絞り込まず全方位戦略を取る「フルカバレージ型ターゲット設定」に対し、製品分野、顧客市場層の双方もしくは一方を特定して訴求する。両分野の絞り込みが緩やかな場合もあれば、ある特定分野に集中してターゲット設定を行う場合がある。

<参考>「低成長のハロウィン市場のゆくえ〜フルカバレージ型ターゲット設定」

これまで各局は子どもから高齢者までのあらゆるターゲット、ニュースからバラエティまでのあらゆるジャンルを網羅した番組づくりが行われてきた。しかしBS番組だけでなくインターネットとも競合となっていく今後は、フルカバレージ型ではなくセグメントでのターゲット設定が必要になる可能性もある。



これ以上の視聴者が減少していくのであれば、報道、バラエティ、アニメ…それぞれの得意分野、もしくは、視聴者の性別、年齢層などのターゲットを追求し、そのジャンル、ターゲットにおいてのリーダーを目指すという方向性を模索していかなければならなくなるかもしれない。

<参考文献>
現代マーケティング (有斐閣Sシリーズ) 』嶋口充輝、石井淳蔵(1987)有斐閣
<参考HP>
ビデオリサーチ 過去の視聴率データ NHK紅白歌合戦

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「ル・クルーゼ」ブランドを連想する要素〜製品非関連属性

2011.11.24 Thursday

 日本でも人気が高い、フランスの鋳物ホーロー鍋ブランド「ル・クルーゼ」。各百貨店や専門店、直営店などで販売されている。
しかしながら店頭を通じて消費者に季節商品販売やキャンペーンなどの情報伝達が円滑にできていないという課題を抱えているという。

日本の複雑な流通構造の中で消費者にメッセージを伝えるために〜プル戦略』では消費者との直接的な情報交換によるブランド浸透の必要性を仮説として提示した。
ここではどのように「ル・クルーゼ」ブランドが消費者のココロに根付き、ブランドを想起させられるのかについて考察した。

【製品非関連属性】
ブランドの連想は、どのような情報がその連想に要約され組み込まれているのかによって分類できる。
(K.L.ケラー,2000) 情報のタイプは「属性」「ベネフィット」等に分類されるが、「属性」については、
◆製品関連属性:製品の物理的な特性。製品の品質やパフォーマンスのレベルがこれにあたる。
◆製品非関連属性:マーケティング・ミックスと売り方から形成される特性。製品やパッケージの色、
販売店のタイプなど製品の性能とは直接関係しない情報。主に以下の5つが挙げられる。
1.価格
2.使用者イメージ
(どのようなタイプの人が、その製品を使用しているか。)
3.使用イメージ
(どこで、どのような状況下で使用されているか。)
4.フィーリングと経験
5.ブランド・パーソナリティ
(「活発」「穏やか」「現代的」など、人と同様にブランドがもつパーソナリティ。)

「ル・クルーゼ」の鍋の汎用性、耐久性など、その品質の高さは製品関連属性の分類される情報と言える。上記に挙げた製品非関連属性について検討してみた。※管理人の主観ではあるが、消費者への調査分析によって精緻な仮説を立てることができる。

1.価格
キッチン用品の中でも高価格。
2.使用者イメージ
料理が好きな人、料理が上手な人、料理の腕をあげたい人、グルメな人、富裕層…など。
3.使用イメージ
料理を頻繁にしている人のキッチンで、どんなメニューを作るのにも使用されている。
クリスマスなど凝った料理を用意してのホームパーティーで、ローストチキンをル・クルーゼの鍋ごと振舞われる…など。
4.フィーリングと経験
美味しい料理を作り訪問客に食べさせる優越感。
友人宅での食事会で見た、ル・クルーゼが置かれた彩りよいテーブル…。など。
5.ブランド・パーソナリティ
豪華な。こだわりの。暖かい。など。

消費者の「ル・クルーゼ」ブランドの連想で、どんな情報が組み込まれているのか。上記の仮説を前提とすれば、ブランドと消費者の接点は「キッチン用品、鍋を買いにくる場」(売り場)だけでなく、「料理」「ホームパーティー」に関連する場も「ル・クルーゼ」との接点になる可能性がある。

「ル・クルーゼ」を想起する情報を適切に把握することで、小売店店頭以外での消費者との直接的なパイプを築きやすくなるかもしれない。

〈参考文献〉
戦略的ブランド・マネジメント 』(著)K.L.ケラー (訳)恩蔵直人、亀井昭宏 (2000)東急エージェンシー

| 買いたいココロ。 | 21:21 | comments(0) | trackbacks(0) |




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日本の複雑な流通構造の中で消費者にメッセージを伝えるために〜プル戦略

2011.11.22 Tuesday

フランスの鋳物ホーロー鍋ブランド「ル・クルーゼ」。欧米はもちろん日本にも多くのファンがいる。「ル・クルーゼの良さを知ると、他の鍋で料理ができなくなる」と言われるほど品質への評価は高い。また煮物、焼き物、蒸し物、揚げ物の料理も可能と、その汎用性も人気の理由である。

高価格なキッチン用品であるにも関わらず、多くの人々が支持する「ル・クルーゼ」。ただし、メーカー独自の販促など消費者に伝えたいメッセージや情報が伝わりづらいという課題を抱えているようだ。その理由として、日本のル・クルーゼ
ジャポン株式会社モニカ・ピント氏は日本の複雑な流通構造について「いくつかの段階を通すことにより、最終的に消費者が商品を購入する際の価格が高くなってしまったり、消費者とメーカーの間で情報伝達がうまく行われず、大切な情報が途中で失われてしまうことを危惧している。」という。小売店の店頭ではメーカーが思うように来店客情報発信をするのは難しい。

メーカーと消費者の直接のパイプが必要。
【プル戦略】
矢作(1996)は流通における情報伝達の構造として、3つの「情報交換の関係セット」を挙げている。

<関係セットA>
メーカーと消費者が直接流通情報をやり取りする。広告宣伝、アンケートへの回答などがこれにあたる。
<関係セットB>
小売業者と消費者が消費者に対する販売行為に関連した情報をやり取りする。店頭プロモーション、POSデータが挙げられる。
<関係セットC>
メーカー、卸売業者、小売業者が取引データ、販促情報をやりとりする。

<関係セットA>において、消費者からの指名買いを増やすための施策として「プル戦略」が推進される。

広告、イベント、クチコミなどを通じてメーカーから消費者に直接伝えなければ、卸売を通して小売店への販促の働きかけをしても消費者まで100%届けることはできない。途中段階の業者が多い日本の消費財流通構造の特徴かもしれない。

「ル・クルーゼ」のプル戦略は十分なのだろうか。同社はキッチン用品では珍しく季節商品も発売しているという。またプレゼント企画などにも積極的である。しかしそれを消費者に直接伝えきれていないためにファンの購入機会を逃していないだろうか。市場の可能性のわりに認知が不十分で潜在顧客を取り逃してはいないだろうか。



現地フランスではブランドが十分浸透しているため、店頭でも商品が顧客を引き寄せる力を十分持っている。日本でもブランドの浸透に注力することで「ル・クルーゼ」と消費者の間の直接のパイプが太くなり、最終的には小売店での情報発信も円滑に行われるようになる可能性もある。

<参考文献>
現代流通―理論とケースで学ぶ (有斐閣アルマ) 』矢作敏行(1996)有斐閣
<参考HP>
CCFJ La Lattre Mensuelle「ル・クルーゼ:流通網の有効活用」

| 売りたいアタマ。 | 15:23 | comments(0) | trackbacks(0) |




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相手チームのファンへの嫌悪感、攻撃的な気持ち。〜攻撃動機づけ

2011.11.17 Thursday

中日ドラゴンズが福岡ドームで2連勝のあと、ソフトバンクホークスがナゴヤドームで2連勝。両チームが敵地で勝利し、日本シリーズも盛り上がりを見せている。

熱狂的なファンでなくともスタジアムに行けば声を出して応援したり、サッカー日本代表については普段はサッカーファンでなくとも「俄かサッカーファン」になって試合に夢中になり、勝利すればその喜びを周囲と分かち合う。

海外の話ではあるが、以前「フーリガン」と呼ばれる熱狂的なサッカーファンによる暴動が問題になった。これは極端な例ではあるが、あるチームを応援していれば相手チームに敵意を抱き、時に相手チームのファンに対して暴力こそないものの攻撃的な言動に出るファンも少なくない。

スポーツの応援・・・あらゆる場面に潜む攻撃性。
【攻撃動機づけ】
他者に対して危害を加えようとする攻撃行動の動機づけとして以下の4つが挙げられる。
■防衛・回避
危害から身を守るために攻撃しようとする。
■印象操作・同一性
他者に対してある一定の印象を与える。もしくは評判・信用を守ろうとするために攻撃しようとする。
■影響・強制
自分の目指すものを達成するために人に何かを無理強いする。
■制裁・報復
他者の悪い行いに対して罰を与える。

自分が応援するチームに対する攻撃、もしくはそのファンに対する攻撃を阻止しようとして自分も攻撃的になる場合(防衛・回避)。相手の挑発や侮辱に対して怒り応戦してしまう場合(印象操作・同一性)。自分が気持ちよく楽しく応援し勝利を喜ぶことを阻止させないように、相手チームへの応援を妨げたい、がっかりさせたいと思う気持ち(影響・強制)。自分のチームの勝利を嫌がる相手チームのファンに対して制裁したい気持ち(制裁・報復)。

スポーツの応援には多くの攻撃動機づけが潜んでいる。スポーツに限らず、自分の考えと異なる意見や性質を持つ他者がいる以上、攻撃性を抱く可能性は皆持っている。

しかしスポーツは基本的には楽しむものであり、ファン全員が楽しむ権利を持っている。多少の攻撃性は刺激になるかもしれないが、度を超えた応援は他者の楽しみを奪うこともありマナーとして控えるべきであろう。


<参考文献>
攻撃と暴力―なぜ人は傷つけるのか (丸善ライブラリー) 』大渕憲一(2000)丸善

| 買いたいココロ。 | 15:34 | comments(0) | trackbacks(0) |




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連勝が劣位になることも。まだまだ分からない日本シリーズ〜仮痴不癲「兵法三十六計」

2011.11.15 Tuesday

クライマックスシリーズも終わり、ソフトバンクホークスと中日ドラゴンズの対決となる日本シリーズが始まった。

ペナントレースの結果は、ソフトバンクは88勝46敗、中日は75勝59敗。セ・リーグ2位のヤクルトスワローズに2.5ゲーム差で辛勝した中日に対して、ソフトバンクはパ・リーグ2位の日本ハムファイターズに17.5ゲーム差で快勝している。日本シリーズ始まる前は、独走状態であったソフトバンクが優位、との見方も少なくなかった。

ところが11月12日の第2戦を終えた時点で、中日ドラゴンズが敵地福岡ドームで2連勝。ソフトバンクファンとしてはホームでの2連敗は誤算だったのではないか。

1989年の日本シリーズでも似たような状況があった。
セ・リーグのペナントレースを快勝した読売ジャイアンツと近鉄バファローズの対決。ジャイアンツ優位という周囲の予測を裏切って近鉄が3連勝。あと1勝で近鉄が日本一、という状態でシリーズを折りかえす。

連勝で相手への警戒心が低下。
【仮痴不癲「兵法三十六計」】
したたかな計算を秘めながら下手に利口ぶるよりわざとそうではないふりをして、相手の警戒心が解かれたときに一気に攻め込む。『兵法三十六計』の戦術のひとつである。

当然、1989年のジャイアンツも今年のソフトバンクもわざと連敗したわけではないだろう。ただ結果的に連敗によって、相手に隙を作る可能性はある。

1989年日本シリーズ、近鉄3連勝のあとのインタビューで近鉄の選手がジャイアンツを見くびる発言をしている。それに奮起したジャイアンツが必死の反撃をしたとも取れるが、明らかに近鉄選手の警戒心は途切れてしまっていたのだろう。ジャイアンツがその後に4連勝。日本一に輝いた。

2011年の本シリーズ。現在2勝0敗でホームに戻って来た中日ドラゴンズ。「まだ気を抜いてはいけない」おそらく中日選手も意識をしているだろうが、連勝で警戒心が少しでも揺るげばその隙をソフトバンクが一気に攻め込むかもしれない。


<参考資料>
兵法三十六計の戦略思考―競合を出し抜く不戦必勝の知謀 』(著)K.クリッペンドルフ(訳)辻谷一美(2008)ダイヤモンド社

| 売りたいアタマ。 | 11:25 | comments(0) | trackbacks(0) |




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タオルのブランドの捉え方〜自己表現機能と情報処理機能

2011.11.10 Thursday

中国で生産される低価格のタオルの普及による苦境を克服しなければならない日本のタオル製造業。経済産業省「JAPANブランド育成支援事業」に指定され、佐藤可士和氏によるディレクションのもとブランド強化に努めている「今治タオル」の他、贈答品需要獲得を中心に模索を続けている。

贈答品として、日用品として、タオルを選ぶときの消費者の選好について、ブランド志向の形成要因から考察してみた。

タオルに求めるのは、ファッション性か。品質保証か。
杉本(1993)は、日本人のファッションブランドの志向の形成する機能として「自己表現機能」「情報処理機能」を挙げている。

【自己表現機能】
他者との差別化、および集団への同調によって自分を表現するシンボルとしての機能への期待。
<「他者との差別化」意識に影響を及ぼす因子>
◆自己表現因子…自分の好み、フィーリングを表現したい
◆優越性因子…優越感に浸りたい
◆反同調性因子…周囲とは違う自分になりたい
<「集団への同調」意識に影響を及ぼす因子>
◆話題性因子…話題になっているものが欲しい
◆逸脱回避因子…異端な人だと思われたくない
◆不協和回避因子…購入を後悔したくない

【情報処理機能】
品質など商品の情報を効率的に認知、判断する機能への期待。以下の因子が情報処理に対する消費者意識に影響を与えるとしている。
◆不協和回避因子…購入を後悔したくない
◆品質評価因子…品質が高いものが欲しい

上記はファッションブランドの志向に関する研究成果であるが、タオルについてはどうであろうか。

贈答品の場合、保証された品質のものを効率的に選択できるという点だけでなく、送り主のセンスや志向を表現する品でもあり、ブランドのファッション性が強く求められるかもしれない。しかし、その場合の消費者の選択肢はタオルに限定されるものではなく、自己表現の機能を他分野の商品と比較されるため、ファッション性や個性がその分必要である。

また日用品としてのタオルはファッションや車など他人の目に触れる機会が少ないため、自己表現機能よりも必要な品質もしくはコストパフォーマンスに関する情報処理の機能が求められる。または、消費者が高品質によるメリットを理解していない場合、品質を軽視しブランド性をタオルに求めない可能性もある。コモデティ化が進んでしまったタオルについて、長期使用による経済的メリットや吸水性など、日用品としての評価基準を消費者が見直すような情報を訴求する必要がある。



ファッション性と品質保証。タオルという分野ならではのバランスが、適切なブランド構築に必要だと考えられる。

<参考資料>
消費者理解のための心理学 』杉本徹雄(編)(1997)福村出版 -「ブランド志向の態度構造分析」杉本徹雄(1993)

| 買いたいココロ。 | 18:16 | comments(0) | trackbacks(0) |




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